三国志1

三国志
2でも4でもなく3。
3世紀の中国で魏・呉・蜀の3国が台頭した時代があった。
通称、その時代を三国志という。

三国志演義」は明の時代に書かれた小説、書かれたというのは正確ではないが、小説というのは正しいかと思う。
そして晋の時代に編纂された、陳寿の「正史」。
三国志については、この2つの違いはしっかりと把握しておく必要がある。


日本だけでなく本場中国においても「羅貫中」作の「三国志演義」が主流となっている。
なぜだろう?
そこには歴史書は難しく、小説は面白いという、単純な事実がある。
それに加えて小説「三国志演義」は、「滅びの美学」「判官びいき」と言った、日本人好みな手法も存在する。


判官びいき」は日本の歴史的スター源義経を指す、または表現する言葉である。
彼もまた、人気があるのには「負けるな、頑張れ!」てきな感傷に訴えてくるからであろう。
彼の最後などは、事実かどうかは置くとして、まさに滅びの美学である。
新撰組、も然り。


史書は勝者の記録である。
ならば三国の中では晋の前身である魏が正統という扱いになり、その他2国は良く書かれるとこはない。
しかし「三国志演義」は蜀を正統とする立場で描かれている。
これにはこの小説が書かれた時代の事情が介在しているのである。
この点は後ほど検証してみようと思う。


三国志の歴史に向き合うのならば、陳寿(蜀将・陳式の子)の「三国志」を読む必要がある。
と言ってもこれを全部読むのは大変なので、簡単に紹介をしていこうかと思っております。