サロメの乳母の話12 塩野七生
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/03/28
- メディア: 文庫
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第12話 「饗宴 地獄篇 第2夜」
ついに最終話。
前話の登場人物が、日本の悪女について議論を交わす内容。
日本の歴史女性達は、自らのことよりも子供のことを優先的に考えてしまう傾向がある。
ん〜、これを読んでると、日本は外国とは全くことなる価値観を女性陣も持っているのかと思ってしまう。
日本では最高権力者や権威の形が非常に独自なもので、他国では絶対に起こり得ない。
それは将軍という最高権力者が国家を実質的に治めているにもかかわらず、権威は天皇が至上の存在だからだ。
この法則が女性陣にも影響を与えているのだろうか。
日本史の愉しい点はズバリ天皇家である。
幕府を開くことができる征夷大将軍は律令制度上は君主の配下である。
誤解を恐れずに言えば天皇の部下である。
ここがローマ法王とも異なる点だ。
しかし実際に政治をおこなうのは将軍であり、これを朝幕並存という。
中国などでは最高権力をもった人間は以前の権力者は必ず葬ってしまう。
三国志で言えば曹操(正確にはその息子だが)は漢の皇帝を追放するし、劉備や孫権を討伐しようとする。
当たり前だ、そうしないと自分が滅ぼされてしまう。
これが日本では起こらないのだ。
何故か?を学ぶのが日本史である。
本編からは外れるのでこの辺で。
「サロメの乳母の話」間違いなく買って損はないです。
一つずつが短編で、一編を読むのに5〜10分。
是非ご覧下さい。