サロメの乳母の話5 塩野七生

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

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第5話 「ユダの母親」


〜ユダ(イスカリオテの)〜 世界史小事典
エスの12弟子の一人。「イスカリオテのユダ」と呼ばれ、もう一人のユダと区別される。
エス一団の財務をつかさどったが、イエスを裏切って祭司長に引渡し、のち後悔して自殺した。


エス12弟子のなかで、恐らく一番有名なのが「イスカリオテのユダ」ではないでしょうか。
イスカリオテとは出身地を表すようです。
バプテスマのヨハネ」とか「ナザレのイエス」とかもそうです。
日本人とは違って、他人と同じ名前が多いので、かぶることの方が普通。
それじゃあ誰が何だか分からなくなるので、このように出身地で区別したりする。


予断だが、古代ローマでは母親と娘が同じ名前であることも稀ではなっかたようで、たとえばアグリッピーナという名前の場合、親は「大アグリッピーナ」娘は「小アグリッピーナ」と呼んだりする。
日本人の感覚だと「大」?「小」?って、単純に笑えるのが楽しい。


閑話休題
このお話だけ、何故かユダの母親について語る学校の先生の目線となっている。
何故だろう?


この筆者は歴史の中で女性の犯す過ちについては痛烈な評価を下す傾向がある。
やはりここは女性の目線ということで説得力もあるし、同じことを男性が揶揄すれば、なんだが「女を馬鹿にする男」と思われかねない。
ここは素直に「そうなのか」と頷いておこうと思います。


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