サロメの乳母の話4 塩野七生

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

サロメの乳母の話 (新潮文庫)

第4話 「聖フランチェスコの母」

〜フランチェスコアッシジの)〜 世界史小事典
1182〜1226、イタリアの国民聖人。
アッシジの商人の息子として生まれる。
騎士的な生活に憧れて派手な青春時代を送るが、やがて回心し、 「フランチェスコ修道会」創始者となる。
生涯清貧に徹して、万物に愛をそそいだ。


〜フランチェスコ修道会〜 世界史小事典
「小さき兄弟会」とも言う。
1209年アッシジのフランチェスコが創立した托鉢修道会
1223年ホノリウス3世が公認した。
清貧、愛、勤労を旨とし、私財、土地、建物を所有せず、研学面ではオクスフォード大学を指導し、海外布教ではルブルクらを東洋に派遣した。
13〜14世紀に会則をめぐって分裂したが、ドミニコ修道会とともに新修道会運動の中心になった。


今度の話しては母である。
フランチェスコは上記のもあるように「愛」を説く。
この母も精一杯の愛を息子にそそぐ。

私はこの「サロメの乳母の話」の中で、一番好きです。
特に一番最後の
「わたくしには手が届かないようでいて、ほんとうはいつも身近に感じられた息子でございました。」
とういうくだりに、母親の想いの全てが詰まっている。
なんとも暖かい読後感に包まれました。