サロメの乳母の話1 塩野七生

短編12編なので、すぐに読めてしまう。
一つずつ紹介をしてみます。




第一話 「貞女の言い分」

映画「トロイ」でおなじみのトロイの木馬
これを考案したオデュッセウスの妻による、夫のご紹介。


オデュッセイア 〜世界史小事典より〜
イリアス」とともにホメロスの作とされるギリシア最初の文学作品。
中略。
「トロヤ戦争が終わって帰国するイタカ王オデュッセウスが、10年にわたって東地中海を漂流し、物乞いに身をやつして王宮に帰り、長い間貞節を守ってきた王妃に言い寄る求婚者の群れを、血祭りにあげて王位に復する」という筋の物語。


……辞典ではこんな感じだが、ここは男のロマンで、トロイを陥落せしめて帰路の途中で船が難破し、数々の困難を経て、妻の下へ戻るという、愛と冒険の物語。
男性諸兄は手に汗を握る冒険話は楽しかろうが、それを待つ女性はどのような気持ちで待っているものなのだろうか?
いやはや女性というのは男性以上にリアルかつクールでございます。

映画「トロイ」とあわせてみると想像が膨らむ。


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映画ではなんだか愛(ヒューマニズム?)と戦争をどっちつかずに表現していて、不完全燃焼で終わったような気がしたが、もう一度観てみようかなと、これを読んで思った。

ちなみに伝説ではトロイから逃げ延びたトロイ王の婿アエネアスが息子や従者とともにイタリア西岸にたどり着き………初代ローマ王ロムルスのご先祖ということになっている。