Vandenberg / 誘惑の炎

desya2007-06-23

爽やかである。
心地よい風を感じることができる。
弾みのあるロックを披露してくれているので、聴いているこちらも爽やか晴れやかな気分、セカンドアルバム。


ヴァンデンバーグの聴き所はギターソロの展開の持って行きかたです。
メインのギターソロに入る前に前菜を用意している。
前菜からメインに入る瞬間がたまらない。


邦楽のロック&ポップスはこの展開の活用がほぼ、無い。
多分ヴォーカルをあくまでメインとするのが邦楽哲学なのだと思う。
カラオケとかのマーケット圧力もあるだろうしね。
Bon Joviの「Dry County」がカラオケにあったりするらしいが「間奏180秒」とか出るらしい。
そりゃ辛いわな。


音楽の聴き方というのは様々なので、私がとやかく言うことではないのだが、ロックというのは基本的にヴォーカル、ギター、ベース、ドラムの4パートがある。
4パートあるというのは、それぞれが必要だから4パートで一つの作品を織り成している。
ならば最低4回聴いて、各パートが何を表現しているかまで迫ることが、髄まで味わうコツである。
すると様々な発見がある。
その発見をしてから、4パートの合成にもう一度向き合うと、また違った世界が広がってくる。


あまり批評に徹したくないが、邦楽の場合はその比率がヴォーカルに偏りすぎているのを散見する。
ロックギタリストならば、本当はもっと弾きまくりたいであろうし、若い頃は必死にハードロック&へビィメタルのギタリストたちを追いかけていたであろうと思う。
売れなければ意味は無いが、この商用と作品のジレンマは聴き手の感性にまで影響を与えずにはいられないと思う。


今日の一押し
ラストを飾る「Waiting for the night」。
初期エイドリアン・ヴァンデンバーグの全てが凝縮されている。
爽快感、臨場感、疾走感、抑揚、展開、表現力、あらゆるモノが詰まっている。
稀代の名曲「This is war」に勝るとも劣らないので、どちらを推すか迷いに迷った!

是非ご賞味下さい。