たばこ税

春麗らかな昼下がり。
駅の灰皿に群がるスモーカー達。
春風と共に煙を撒き散らし、他人への健康被害もなんのその。

その中で私も煙を生産しておりました。

そしてスモーカー達は言うのである。
俺たちはたくさんの税金を払っているのだと。
もっと安くしてくれよなと。
我々は国家に貢献しているのだと。


税金と言うのは何故存在するのか?
それは国家が国民に対し、公共サービスをおこなうのに必要だからである。
例えば治安維持、国防、外交、社会保障、福祉政策、環境整備、等等
これらが充実していないと国民は安心して生活が送れないので、所得の何割かをお上に捧げるわけである。

そこで、何故タバコ税が存在し、何故値上がりをして行くのかを考えてみた。
まずはタバコ税の内訳を見てみよう。


 300円のタバコの場合  JTホームページより
国タバコ税 71.04円(23.7%)
地方タバコ税 87.44円(29.1%)
タバコ特別税 16.4円 (5.5%)
消費税 14.29円(4.8%)
タバコ税総額 189.17円(63.1%)


という感じのようです。
地方税はさらに都道府県民税と市町村民税に分けられ、消費税も国税地方税が存在しますがここでは省略します。
それにしても約6割は税金です。

これは国家がタバコを止めさせようとする陰謀なのか?
正にそのとおりであります。

では何故止めさせようとするのか?
それはガンを始めとする各種の病気に罹りやすくなるためで、国家にしてみると医療費の支払いが増えるから、その社会保障費用を、ガンに罹りやすい人々で受け持ってくれと言うわけなのです。

確かに喫煙者は病気の発症率は高くなるのだろう。
だからそのリスク分を徴収されているわけだ。

税金には社会の再分配の効力も備えている。
所得の多い人からはたくさん徴収して、所得の少ない人の受ける公共サービスに貢献させられるというわけです。
また、健康で医療費が全くかからない幸せな人は、病気がちで医療費のかさむ人に貢献しているわけだし、自動車税ガソリン税などは、自動車に乗ることによる、人をはねるリスクや、環境破壊費用を自動車に全く乗らない人よりも多く支払いましょうという仕組みとなる。

そういう意味では相互扶助と言われている生命保険とも同じ仕組みと言うことだ。


なので、タバコ税が存在することには大いに納得がいくというものだ。
ただし、この税金が高くなっていくことには全く納得がいかない。
もしタバコ税が値上がりするのが許される状況があるとすれば、タバコによる悪影響で、社会保障費用や公共サービスの費用が上がった場合のみだ。
でなければ、本来の税金の趣旨から道を踏み外していることになる。

国民年金や健康保険が値上がりするのは国家が支払う保障費が増大しているからなので、これは必然だと、納得もいく。
自賠責や、自動車税が上がったとしたら、それは自動車事故が増大したというデータが必要だし、また排気ガスにより環境破壊されたものを修復する費用が膨れ上がったことによる証明が必要だ。


タバコ税も同くデータが必要だ!
国家が支払った、タバコによる、保障費の比較データが必要なのだ!

タバコ税の存在は許せる。
しかし、この根拠の無い税率には納得がいかない!