ジェネリック医薬品

先発薬と後発薬 -日経新聞より抜粋-
新たに開発された先発医薬品の特許が切れ、独占的な販売期間が終わった後に販売されるのが後発医薬品
ジェネリック医薬品とも呼び、効果や用法などは同じ。
後発薬は研究開発費が不要なため先発薬より安い。
欧米では後発薬は一定のシェアを占めるが、日本ではまだ普及率が低い。


膨大なる医療費を削減するために医薬品の保険適用部分が削減されることになりそうだ。
現在は医薬品に保険を適用した場合、通常のサラリーマンだと3割負担なので、7割は政府が補償する仕組みとなっている。
この7割は、使った費用に対する割合なので、先発薬を選択してもその7割、後発薬を使ってもその7割を補償してくれる。
しかし、今回の見直しでは後発薬の価格の7割しか補償しないということになる。

仮に先発薬で100円、後発薬で60円の医療費だったとすると、健康保険適用部分は後発薬の7割なので、42円は政府が補償してくれるが、それ以外は自己負担となる。
先発薬を選択した場合の自己負担は58円、後発薬の選択した場合は18円となる。

これだと、後発薬を使用するのが当然と言うものだろう。
なにしろ効果は全く同じなのだから。

しかし、これを採用した場合は、新薬を開発する製薬業界の意欲を失わせてしまうことになるので、その方面との調整やケアが必要となる。


それにしても、日本という国は、国民に対して非常に優しいのだなと切に思ってしまう。
また一方、新薬を開発してくれていた製薬業界に対しても、手厚い保護を与えていたわけである。
ジェネリック医薬品と呼ばれる後発薬の普及を認めない方針で、今まで来ていたということが、今回のことから読み取れる。

国民全てを国家が手厚く保護し、リスクも負ってくれていたが、その方針が徐々に崩れ始めている。
改革を進めるのはいつの時代でもおこなわれる。
しかし、改革をおこなう部分は現状では悪と思われていても、実はその過程を辿れば善と捉えられることがある。
このような記事が出てきたときは、そもそもは何故?、という立場で過程を見直すことが重要なのかと思う。