新生銀行へ排除命令

新生銀行公正取引委員会より排除命令を受けた模様で、デリバティヴ商品の広告が景品表示法違反とのこと。

それにしてもこちらの新生銀行が開発する商品は面白いなと思う。
今回の景品表示法に抵触したのは「パワード定期プラス」というもので、為替の変動リスクをお客様に受け持ってもらうというところが特徴です。

「プラス」というくらいだから、もともとの「パワード定期」はあるのかと思いますと、やはりあります。
「パワードワン」というものがそれです。

こちらの商品は市場の金利変動リスクをお客様に負って頂くというものです。
当然リスクが高いので、その分リターンは大きいです。

では簡単に商品の仕組みを説明してみます。
「パワード定期プラス」(為替変動をお客様が負う)基本は定期預金ですので、決まった期間があります。
「1$-¥100」と仮定します。すると、100円で「1$」という商品を購入したことになります。
これが円安になり、レートが「1$-¥120」になったとします。
今もっている1$は120円で売れるので、120円が手に入り、差し引き20円儲かることになります。
この20円の儲けを銀行が受け取り、お客様は預け入れ期間の金利を受け取れることになります。

これが逆に円高になった場合が問題なのですが「1$-¥90」になったとします。
すると、10円損をしてしまいますが、この損失はお客様が負いますので、単純に90円と金利分が受け取れます。
金利で10円の損を取り戻せれば良いのですがね。

これは所謂オプション取引です。

次に「パワードワン」
これはつまり10年の定期預金です。途中解約は手数料を徴収されて元本割れの可能性があります。
そして、通常の定期預金よりも金利が高いです。
ただし期間の半分の5年後に市場金利がこの商品の適用金利よりも高くても定期預金なので変更等はできないのに、適用金利よりも低い場合は5年で定期が打ち切られるというものです(ここで解約手数料はかからない)。
一応5年の定期預金という表示になっていることが特徴。

これも所謂オプション取引です。

どちらも「為替」「金利」というリスクを銀行がある程度放棄した商品であるというわけです。
詳しい内容はともかく、排除命令の理由は金利の表示が不明瞭ということでの処分ですが、本当なら定期預金と表示しながらオプション取引であるということが問題ではなかろうかと思うのだが如何なものだろうか?